部屋割り(その2)

部屋割り(その2)

宿屋についた一行。
綾子は受付でチェックインをすませると、
紙と鍵を持って全員の所に来て、部屋割りを発表し、
四人ずつ部屋に押し込んだ。


二部屋目には蔵馬・永泉・頼久・三蔵が押し込まれた。

「……あの…」
「どうかなされましたか永泉様?」
「あ、えっと…その…折角同じ部屋になりましたので、
できれば紹介をしていただきたいと思ったのですが…」
「そうですね…俺は南野…いえ、蔵馬といいます。」
「お前…妖怪か?」
「ええ。以前は…今は人間ですよ。」
「…ですから不思議な気を帯びていらっしゃるのですね…」
「…そうなのですか?」
「ええ…とても優しい…でも、とても強い気を感じますよ頼久。」
「あの…俺のことはともかく、できれば自己紹介を…」
「あ、そうですね、すみません。私は永泉と申します。」
「…お前僧侶か?」
「はい。修行の身です。お見受けする所、あなたも僧のようですが…」
「…まぁな…三蔵だ。」
「三蔵?え?あの玄奘三蔵様ですか!」
「ご存知なのですか永泉様?」
「ええ、それはもちろん…このような所でお会いできるとは…」
「あの…もしかしたら、永泉さんの知っている三蔵はたぶんこの人じゃない気がするんですが…」
「たぶんそうだろうな…」
「しかし…」
「そのことは、また後でということで…さ、後はあなただけですよ?」
「はい。私は源頼久と申します。」
「武士…ですか?」
「はい。」
「…間違いようがないなお前…」
「は…はぁ…」

そこへとぼたんが現れた。

「おや?ここにはお坊さんが二人いるんだね…」
「あ、永泉さんと頼久さんここだったんだ!」
殿!神子殿はどうされたのですか?」
「他の部屋回ってますよ頼久さん。あ、はじめましてと言います。」
「はじめまして、俺は蔵馬です。よろしく。」
「…三蔵だ。」
「飛影と同じ位口数の少ない人だね…」
「何?」
「あ、俺達の仲間に一人いるんですよ、あなたくらい口数の少ない男が…」
「その方はここに来られているのですか?」
「ええ。どこかの部屋にいるでしょうね…」
「飛影は何処にいるんだろうね…探しに行こうかちゃん!」
「はい!あ、皆さん後で服が届かるはずなんで、着替えたら遊びに行きましょうね!」
「ええ。是非。」
「じゃ、これで…失礼しました。」

とぼたんが去って行った。

「…しかし…服ってなんなのでしょうね…?」
「はぁ…私には分かりかねますが…」
「俺が着ているような物ですよ…お二人のその恰好では、目立ちますからね…」
「そうですか…しかしどうやって着れば…」
「大丈夫ですよ。俺と三蔵が教えますから。」
「どうして俺が…」
「あの…どうかされましたか三蔵殿?」
「何がだ?」
「眉間にしわが寄ってますよ…」

蔵馬が苦笑して自分の眉間に指を当てた。

「別に…永泉の声が知り合いに似ていてな…つい思い出してしまっただけだ…」
「…私の声がですか?それで、ご機嫌が優れないので…」
「…たのむ…俺の前であまり喋らないでくれ…」
「…え?なぜですか?」
「喋るなと言われても、無理ですよそれは…」
「どうしても奴の声に聞こえてな…」
「奴?一体どなたなのでしょう?」
「是非お会いしてみたいですね永泉様。」
「ええ。」
「…大丈夫ですか三蔵?」
「なんとかな…」

どうやら三蔵は笑いをこらえるために機嫌が悪そうな顔になっていたようだ。

この部屋はある意味三蔵にとって地獄のような部屋になりそうだった。




両極端なお坊様が二人同じ部屋になりました・・・(笑)
声ネタはアニメをご覧になってない方には分からないんですよね・・・(汗)
すみません!!!
それに、私が書くと段々蔵馬さんが八戒化していく・・・(汗)
それだけは阻止しようと頑張るんですが・・・
無駄な努力らしいです・・・(汗)
う〜・・・文章力のない自分が恨めしい・・・(苦笑)