電車(遥時編)
電車(遥かなる時空の中で編)
"ガヤガヤガヤガヤ…"
「この動く大きな箱は早いのだね…目が回りそうだ…」
「そうですね友雅殿…」
「…このように早い物は京にはないからな…」
「おや?永泉様?どうされました?」
「何でもないのです鷹通殿…少々気分が…」
「大丈夫ですか永泉様?!」
「ありがとう…大丈夫です頼久…」
「大丈夫じゃなさそう…辛そうだよ永泉さん?」
が永泉の背中をさすりながら声をかけた。
「顔真っ青…(汗)外の風に当たるといいかもしれませんね…
一緒に向こうに行って見ませんか永泉さん?」
「そうですね…その方がよろしいです永泉様。」
「はい・・・すみません神子・・・」
「何言ってんですか永泉さん!さっ行きましょう!!」
「私もお供いたします。」
あかねが永泉と頼久を連れて車内から姿を消した。
「…大丈夫でしょうか永泉様は…」
「神子殿と頼久が一緒だからきっと大丈夫だろうね…」
「きっと酔ったんですね永泉さん…」
「酔う?永泉は酒でも呑んだのか?」
「違いますよ泰明さん!!乗り物酔いっていうか…
えっと…この早さについて行いけなくなって…う〜ん…どう説明したらいいんだろう(汗)?」
「…とにかく慣れないこの箱に乗ったから、永泉様は気分が悪くなったと言いたいのだろう?」
「箱って…箱じゃないけど…まぁそんな所です友雅さん…」
「…そうか…では、天真とイノリと詩紋は何処へ行ったのだ?先ほどから姿が見えぬが…」
「…電車の中歩き回ってくるって言ってました(苦笑)」
「元気だね〜彼等は…」
「…迷う事がなければよいのですが…」
「あ、大丈夫ですよ鷹通さん…電車はそんな複雑な作りしてないし…(苦笑)」
「そうなのですか?」
「ええ。ず〜っと真っ直ぐしか行けませんよ(笑)」
「そうですか…それなら迷わずにすみますね。」
「それにしても…人ならぬ物が数人いるようなのだが…」
「え?本当ですか泰明さん?!」
「ああ…少なくても四人はいるようだ…」
「さすがだね泰明殿…」
そんな話しをしている四人の横を綾子と悟浄と三蔵が通った。
「まだデッキにつかねーの?」
「まだです。結構広いんですからこの車両…」
「めんどくせー…」
「そうイライラしないでください三蔵…(苦笑)」
そんな三人を見て泰明が呟いた。
「…今の中にも人ならぬ者がいる…」
「それはどの人物なのですか?」
「あの姫以外はどちらも鬼のような髪と目をしていたようだね…
片方は金の髪に紫の目をしていたようだ…」
「よく見えましたね友雅さん…」
「美しいものにはすぐ目がいくものでね・・・」
「では、どちらも鬼なのですか泰明殿?」
「…おそらく、赤毛の男だけが人ならぬものだ…しかしあやつも鬼ではないだろう…」
「鬼でも人間じゃない…じゃああの人なんなんですか?」
「そこまでは分からん…」
「面白そうじゃないか。人ならぬ者と一緒に温泉に入るなんて…そう体験できる事じゃないだろ?」
「…またあなたと言う人はそう言う事を…(苦笑)」
「折角来たんだ、たのしみたまえ鷹通。」
そんな話しをしている四人のところに天真・詩紋・イノリが帰ってくるのは間もなくの事だった。
不安と期待をのせて電車は目的地へと近づいていった。
永泉さん酔ってしまいました・・・(汗)
三蔵は鬼に間違われそうになっているし・・・(汗)
泰明さんがいなかったらきっと三蔵は髪と目の色で
鬼に間違われるんでしょうね・・・(苦笑)
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