桜
もう一人の私・・・?
次の日、私はあかねちゃんと天真君と詩紋君と共に京の散策に出かけた。
「まさか同じクラスの奴が三人も失踪するとはな…」
「今ごろ学校どうなってるんだろうね?」
「…僕が転校した時、二人の事はすでにタブーみたくなって、あまり話されてはいませんでしたよ?」
「マジかよ!やっぱ警察とか捜してるんだろうなぁ…」
「…皆心配してるだろうね…」
天真君、あかねちゃんと話していると、詩紋君が静かなのに気がついて、詩紋君のほうを見た。
すると、詩紋君は私も方を見ていた。
「…?どうしたんですか詩紋君?」
「え?!あ、ごめんね…なんか…さんって綺麗な人だなぁって…」
「え?」
「そういや、男には見えにくいよな…」
私は思わずあかねちゃんを見た。あかねちゃんも驚いている。
「やだな二人とも!君に失礼じゃない!!ねぇ君?」
「え?あぁ、いいですよ…よくあっちでも言われてましたから…」
本当は逆…たまに男の子だと間違われていたんだけどね…
「そう言えばね、僕さんに似た人知ってるんだ…」
「え?」
私は現代で詩紋君に会っていたのか驚いて記憶をたどっていた。
「この先のお姫様でね、凄く綺麗な…」
「本当か詩紋…」
「うん。姫って言ってね、凄く優しい人なんだ…」
「へぇ…会ってみたい…ねぇ君?」
「え…ええ…」
私に似たお姫様?会ってみたいかも…それにしても、って…
私達は詩紋君の案内で大きなお屋敷にたどり着いた。
「ここだよ…」
「ねぇ詩紋君?あの人?」
あかねちゃんが垣の中を覗いている。
「こら!あかね!!」
「だめだよあかねちゃん覗いたりしちゃ!!」
「いいじゃない…本当だ…君に似てる…でも綺麗…あ…目があっちゃった…」
「何?!」
「えぇ!!」
私達が驚いていると、中から女の人が現れた。
「どうぞ中にお入り下さい。主人がお呼びです…あら?詩紋様…また来てくださったのですね…」
「あ…はい///」
「また?」
「またって詩紋君どう言う事?」
「え…?えっと…」
「お前その姫って人に惚れたのか?」
「ち、違うよ天真先輩!!!//////」
そんな事を騒ぎながら私達は中に入った。
「あ…友雅…」
「やぁ皆おそろいで…」
「なんでここに友雅がいるんだよ?」
「姫のお話し相手にね…」
その時、奥からお姫様が現れた。
本当だ…私に似てる…でも、やっぱりこの人の方が女らしい…綺麗…
「はじめまして!」
「ようこそいらっしゃいました…あなた様が友雅様がお話しになる神子様ですね?」
「え?友雅さん?なに話してるんですか?!」
「さぁねぇ?」
「友雅ぁ〜」
「怒らないで天真先輩!!」
私は笑いながらその様子を見ていた。
すると、ふと姫と目があった。
「…あなた様は?」
「え?あ、と申します姫。」
「様ですね…友雅様から昨日私に似た方がいらしたと聞いてましたが…本当に良く似ておりますわ…」
姫は思わず見入ってしまうような綺麗な笑顔で笑った。
凄い…私もこんな笑い方いつかできるかな?
私達はその日は、姫の元で過ごした。
これからたまに姫の元に通おうかな…?なんか人事とは思えないし、変な男の人がつくのもいやだから…