物忌み

物忌み〜橘友雅編〜


「物忌み?」
「はい。」
「あの…物忌みって…何?」
「物忌みとは…」

は藤姫に物忌みについていろいろと話しを聞いている。

「…つまり、明日外に出なきゃいいんでしょ?」
「はい。絶対に外へ出ないで下さいね様。」
「分かったよ藤姫。」
様は神子様と一緒ですぐに黙って一人で外に出て行かれてしまうから…」
「明日はおとなしくしてるから安心して藤姫…」

心配そうに呟く藤姫を見ては苦笑していた。

そして、次の日あかねはいつも通り八葉二人を連れ、京の散策に出かけた。

「暇ぁ〜」
「お分かりですね様。今日は外へは…」
「大丈夫だってば藤姫!絶対に今日は外に出ないから…庭にも出ないから安心して!」
「…分かりました…では、私はあちらにおりますので何かあったらお声をかけてくださりませ。」

そう言って藤姫はの部屋を出ていった。
「藤姫〜読めないよ〜!」

暇な時間を紛らわすため藤姫から借りた書物を開いたは見た事もない文字…
否それは漢字なのだが、彼女の時代とは書き方が違うため、が読める訳がなかった。

「はぁぁ…」

は大の字に寝転んだ。

「おや?暇そうだね…」
「友雅さん?!」

いきなり入って来た来客者には勢いよく起き上がった。

「どうしたんですか友雅さん?」
「藤姫から君が今日物忌みと聞いてね…顔を出してみたのだよ…邪魔だったかな?」
「そんな事ないですよ!時間を持て余してたんです…」
「では、今日は私と過ごさないか?」
「…え?」
「え?って…私じゃ役不足かな?それとも、他に過ごそうと思っている人でもいるのかな?」
「いませんよそんな人!ただ、ビックリしたんです…友雅さんがそんな事言ってくれるなんて思っても見なかったから…
他の綺麗なお姫様にしか言わないと思ってました…」
「おや?そのような事を言うと折角持ってきた土産持ち、帰ろうか?」
「えぇ?!お土産!!」
「そう。可愛い姫君に私からの贈り物だが…しかたない…本人がそう言うのならば他の姫君に渡すとするか…」
「友雅さん?!ひどい!!友雅さんってそんな意地悪な人だったんですね…」
「あははは。冗談だよ。しかし…君は怒った顔も可愛いな!」
「またそんな事言って!!」
「おや?顔が赤いようだけど…熱でもあるのかな?」

友雅は彼女の側に寄ると、手を頬に当てた。

「?!」
「熱いな…熱があるのか…それとも物忌みのせいか?私の為に頬を染めてくれたのだったらうれしいのだがね…」
「熱を測るのにどうして頬に手を当てるんですか!普通おでこでしょ!!」
「おや?そうだったかな?では…」

すると友雅は頬に手を当てたまま彼女の顔を自分の顔に近づけ、額と額をくっつけた。

「友雅さん?!」
「おや?本当だ…熱はないようだね…では赤い顔の原因は物忌みの影響か?」
「真面目な顔してふざけないで下さいよとも雅さん!!」
「はははははは…」

友雅は楽しそうに声を上げて笑いながらようやくを解放した。

「もう!友雅さん私で遊びに来たでしょう!」
「おや?私は君を心配して気たのががね…神子殿が心配なのもあるけど、君も異界の姫君だからね…
何かしら影響があっては大変だろう?」

一瞬だったが友雅は真剣な顔をした。

「友雅さん…」
「そうそう、殿?私からの土産を受け取ってはもらえぬのか?」
「あ…」

友雅は微笑みながら控えていた侍女達に何かを運ばせた。

「では、私は少々席をはずしていよう…可愛く着るのだよ。」
「え?えぇ?ちょ…ちょっと友雅さん?!」

が混乱しているうちに侍女達によっては着物へと着替えさせられてしまった。

「失礼いたします…」
「…え…あ…はい…」
「失礼するよ…おぉ…やはりそのような姿だと君も美しい姫君だね…」
「あの…友雅さん?これ…」
「私からの贈り物だよ…しかし…美しくなると思ったがこのように美しくなるとはな…」
「え?」
「…毎日通いたくなるよ。」
「えぇ?!」
「ははははやはり君は可愛い姫君だ。」

友雅は本当に楽しそうに笑っていた。

「でも…友雅さん…この着物…」
「言っただろう?私からの贈り物だよ。受け取ってもらえるだろ?」
「…でも、こんなに高価そうなもの…」
「あぁ、気にしない気にしない。ただ…」
「ただ?」

友雅はいきなりを抱きしめた。

「友雅さん?!」
「私以外の男にその姿を見せてくれるな…」
「あ…あの…」
「…私だけの姫君になっていておくれ…」
「友雅さん?」

友雅は優しく抱きしめていた手を緩めると、を離した。

「願わくば、次の私の物忌みの日にはその姿で私のもとを尋ねてきてはくれまいか?」

友雅は綺麗に微笑むとの手の甲に口付けをした。

「友雅さん!!」
「おや?まだ顔が赤いようだ。もし本当に具合が良くないといけないな…
それに、具合が悪い所で無理をさせては神子殿と藤姫に怒られてしまうからね…私は帰る事にするよ。
今日はゆっくりと休むのだよ私の可愛い姫君。」

友雅はそう耳元で囁くと真っ赤になったを部屋に残し部屋を出て行った。

綾:・・・なんかめちゃくちゃ恥ずかしいんですけど・・・(汗)

友:おや?君が書いたのだろう?なぜ恥ずかしいのだ?

綾:自分で書いてるから恥ずかしいのです・・・下手だし・・・(汗)

友:しかし、私は満足しているがね・・・殿の麗しい姿も見れたしね・・・

綾:・・・そういえば、よく友雅さん夜までいませんでしたね・・・

友:自粛したのさ・・・私の可愛い姫君を壊したくないしね・・・

綾:・・・さすが友兄・・・

友:その友兄と言うのは止めてくれぬか(苦笑)?

綾:なんでですか(笑)?

友:訳を言わせたいのか君は?それとも、私を怒らせたいのかな(笑)?

綾:・・・怒らせてみたいかも・・・(笑)

友:ならば、歯止めが利かなくなってもよいね?他の作品の赤い髪の彼のようになってもよいのかな?

綾:え?赤い髪??どっちですか・・・(汗)?!

友:はははは君が困る方だよ(笑)

綾:どっちも困るんですけど?!


謎です(汗)
亜梨馬様のお誕生日にあわせて前からリクエストしていただいてた友雅さんドリ書き上げたんですが・・・(汗)
甘くなく終わってしまったかも・・・(汗)
う〜ん・・・許して下さい亜梨馬ちゃん?!