ドリー夢小説
賭け
賭け
「賭けぇ?」
「そっ…ただ敵倒してるだけじゃつまんないじゃん?
だから、俺ととどっちが多く倒すか賭けしねぇ?」
ある日悟浄がに楽しそうに提案してきた。
「ばかばかしい…嫌よ…」
「なんでだよ?それとも何?あ、何、ってば俺には勝てないから逃げ…」
「受けてやろうじゃん…どっちが多く倒すかね?」
悟浄の挑発にまんまと乗ってしまったは、鞘に入れたままの剣を悟浄に向けた。
そんなに悟浄は悪戯っ子が浮かべるような笑みを浮かべた。
「そう♪」
「で?賭けるものは?」
「…そうだな…お互いに相手の言う事を一つだけなんでも聞くってどうよ?」
「…う…い…いいわよ!」
「それじゃ決まりだな♪」
その結果が出るのはそう後の事ではなかった。
いつものように大量にしかけられた雑魚を五人は次々と倒して行った。
そんな中、悟空が悟浄との様子がいつもと違うのに気がついた。
「…なぁ八戒…なんか今日の怖くない?」
「そうですね…悟浄と何か良からぬ事を話していたようですから…」
「あのバカの事だ、賭けでも持ち込んだんだろう…」
次々と敵を倒して行くと悟浄を他の三人は半ばあきれて見ていた。
「いやだ?!」
「なんでだよ?!」
「あたり前でしょ!何も賭けに負けたその日にあんたと同じ部屋なんて…絶対嫌だからね!!」
「それは自業自得だろう!賭けに負けたのだって、くじ運がよくて俺と一緒の部屋になったのだって♪」
「あほ?!くじ運がなかったのの間違えでしょ!!」
宿につくなりと悟浄は口論ははじめた。
「絶対嫌だ!」
「くじで決めたんだからしかたないだろ?!」
「…をいじめるわけではないのですが…あなたが旅に加わってすぐにあなたは言いましたよね?
『全てにおいて平等にして欲しい』と…」
「それはそうだけど…今日だけは嫌なの!せめて三人部屋にして!!」
「諦めろ…お前のくじ運が悪いんだ…」
「三蔵ぉ〜…」
「……そんなに嫌なら俺変わろうか?」
「マジで悟空!」
「だ〜め。そんなのルール違反だぜ?観念するんだな♪」
「いや〜!!八戒お願い…」
「…そう可愛い顔でお願いされてもですねぇ…ルールですから…
そりゃ、あなたを悟浄と二人っきりの部屋にするのは腹を好かせた獣の檻に食べ物を置いてやったのと同じ位危険な事ですが…」
「だったら変えて…お願いだから〜!」
「大丈夫ですよ。眠るギリギリまで僕達がいますから…それに、部屋はすぐ隣なんです。
あなたのいつもと違う声が聞こえてきたら、嫌でも乗り込んで行きますから僕達…」
「う〜〜…」
八戒にそう言われてか、何かしらの威圧感を感じてか、は悟浄との部屋を承知した。
そして、夜がふけて悟空が寝始めた頃三蔵と八戒も悟空を運び、部屋へと戻って行った。
「…何警戒してんだよ?」
「…するのがあたり前でしょ…もし私に変な事しようとしたら即殺すからね?!」
「分かった分かった…んじゃあ…そうだな…俺はここから動かない…だったら少しは安心だろ?」
悟浄はと少し距離をとり、ソファーに腰掛けた。
それから、しばらくの沈黙が続いた。その沈黙に耐えられなくなったは椅子に座ったまま悟浄に話しかけた。
「ねぇ…今日は外に遊びに行かないんだね…」
「あ?あたり前だろ?折角のちゃんと同じ部屋になれたんだぜ?お姫様を一人残して遊びに行ける訳ないだろ?」
「…行ってもよかったのに…ってか行ってくれた方がよかったのに…」
「そんな事言うと俺いじけちゃうぜ?」
悟浄は煙草をふかしたまま笑顔でを見た。
悟浄と目があった瞬間、その視線になぜかたえられなくなったはドキドキする心臓をなだめ、シャワーを浴びる事にした。
「…先もらうよ?」
「ああ。いいぜ…」
悟浄はソファーに座ったままだった。は用心のため剣を握るとシャワー室に向かった。
しばらくしてはシャワーから出た。
「お先…」
「いいえぇ…俺もシャワー浴びたいんだけど…ここ動いていいか?」
「どうぞ…」
は短くそういった。悟浄はそれからはじめてソファーから立ち上がるとサワー室へと消えた。
は今まで悟浄が座っていたソファーに座ると、体の火照りを冷ますため窓を開けて外を見た。
心地よい風を感じて、つかれていたはうとうととその場で眠ってしまった。
「?おい?こんな所で寝てたら風邪ひくぞ?」
「…ん………ん?」
どれくらい寝ていたのか、は近くで悟浄の声がしたので目が覚めた。
「っ?!」
「やっと起きたか…風邪ひくぞお前…」
「って何でこんなに近づいてるのよ?!」
悟浄はソファーで座ったまま眠っていたを覗き込んでいた。
「だってったらこんな所で寝て起きないんだもん♪」
「あんたはバカか!こんなに近づかなくたっていいでしょ!」
立ちあがろうとしたを悟浄が制した。
「…何?」
「あのさ…俺さっきから賭けの事ず〜っと考えてたんだよね…」
「…あっそ…で?何?」
<は恐る恐る悟浄に聞いた。すると、悟浄は綺麗に笑った。
「ずっと俺の側にいろ。」
「は?」
「は?じゃなくて…ず〜っと俺の側にいて俺から離れるな。」
「な…何よそれ…そんなの…」
「負けた方は勝った方の言う事なんでも聞くんだろ?」
悟浄の笑顔の中にもどこか真剣な眼差しをは耐えられなかった。
顔を赤くして目をそらすと、悟浄は優しく頭を掴み自分の方を向かせた。
「分かったか?」
「わ…分かったわよ…ずっと…悟浄の側にいるわよ…」
は恥ずかしそうに消え入るような声でそう呟いた。
「んじゃあ寝ますか♪」
「ちょっ?!」
悟浄はいきなりを抱き上げた。
「下ろしてよ悟浄!!」
「側にいるって言っただろ?」
「だからって、なんで一緒のベットに運ぶのよ?!大声出すわよ!!」
「安心しろってただ一緒に寝たいだけなんだから♪」
「それが嫌なんだってば!」
「それともなに?もしかして密かに期待しちゃってるのかなちゃんは?」
「そんな事ある訳ないでしょ!下ろせ!!」
「嫌だ♪」
結局は力の差で悟浄の腕に絡めとられたまま同じベットで眠る事になってしまった。
悟浄は幸せそうにを抱きしめている。
「…いつまでこうしてれば気がすむのよ?」
「ず〜っとに決まってるだろ…?」
「…寝にくいでしょ…」
「全然♪むしろと一緒だから俺すげ〜幸せ♪」
「…ばか…」
「なぁ…」
今まで抱きしめていた腕に悟浄は少し力を入れた。
「…俺はいつまでもと一緒にいたいんだぜ?
が感じてる物…が考えてる事…が幸せだって思うもの…を苦しめる物…その全てを一緒に感じたいんだ…」
「悟…浄?」
「…俺だっていつもいつも盛ってる訳じゃないんだぜ?本当に大切な物はこの手で抱きしめて守っていきたいんだよ…」
「…悟浄…さっきから私の気持ち無視して話し進めないでくれない…?」
「あれ?そうだっけ?」
「…賭けだから仕方なくずっと一緒にいてあげるけど…」
「…は俺が嫌いか?」
悟浄は真剣な目をしていた。そして、どこか寂しいような…どこか不安そうな今までに見た事のない悟浄の目だった。
「悟浄…その目…他の人に見せたら許さないからね…」
「は?どの目?」
「…気がついていないんだ…私から離れて他の女のところに行くなって言ってんの!」
「?」
悟浄は力を入れていた腕の力を抜いた。
「…いつまでも強く抱きしめててよエロ河童…」
「…ははは…了解…」
悟浄は幸せそうにを抱きしめなおした。
それからすぐ、悟浄はを抱きしめたまま眠ってしまった。
「…ねぇ悟浄?私が勝った時のお願い教えてあげようか?…ずっと…ずっと側にいてだったんだからね…」
そう呟くとも眠りに落ちた。
「…知ってたよ俺の眠り姫…」
悟浄は目を開けると笑顔でそうつぶやき、まるで誓いのキスのようにに優しく口付けた。
八戒:おや?僕達出番少ないですね?
三蔵:そうだな・・・
綾子:げ・・・三蔵さん、八戒さん・・・どうしたんですか?
八戒:いえね・・・悟空・悟浄とを取られて僕達面白くないんですよ(ニッコリ)
三蔵:まぁバカの順だったらしかたないけどな・・・
八戒:では次はきっと三蔵ですね♪
三蔵:なんだと(怒)?
綾子:あの・・・ここで喧嘩は・・・(汗)
八戒:まぁ全ては次の綾子の手にかかってるんですけどね・・・
三蔵:そうだな・・・
綾子:ってなんでそうやってプレッシャーかけるんですか?!
ごめんなさい・・・悟浄さん微妙に偽者・・・(苦笑)
でも、甘くいったかなぁ・・・と思ってるんですが・・・(笑)
ちなみに、これは亜梨馬様いじめにお贈りした物です(笑)
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