ドリー夢小説
髪
夜桜
お願いがあります…
もうしばらく可愛らしいつぼみのままでいてください。
もちろん可憐に咲き誇るあなたも見たい…
だけど、僕以外の誰かに桜のように咲き誇るあなたを見せたくないのです…
これは僕の独占よくなのでしょうか?
「やった?!今日は八戒と二人っきりだ♪」
知ってますか?あなたのその無邪気な笑顔が僕達をときめかせ、そして苦しめている事を…
ほら、三蔵の機嫌が悪くなった…
あの三蔵を動揺させられるのはあなただけですよ?
「そんなに八戒と二人っきりがうれしいのか?」
「あたり前じゃん悟浄!八戒と同部屋ならゆ〜っくり静かに寝れるもん♪」
どんな理由であれ、あなたが僕との同部屋を喜んでくれるのはうれしいですね…
「でも、なんで今日もと同じ部屋になれないんだよ〜」
「しょうがないでしょ悟空?くじで決めてるんだから…」
「お前なにか細工してんじゃねぇの?最近と同部屋続いてるよな?」
「嫌だなぁ悟浄…今日のくじを作ったのはあなたですよ悟浄?どうやって僕が細工するんですか?」
「お前だったらできそうだからな…」
「三蔵まで…では、今度から試してみましょうか?細工ができるかどうか…」
「ずり〜よ八戒!!」
「冗談ですよ。」
そう笑うと三蔵が
「本気だろうお前?」
と言いたげな顔で僕を見ています…
あなたにはばればれですね…
「もう?!早く部屋にはいって休もうよ!!疲れた!!!」
「はいはい。姫君はお疲れのようだから部屋に戻りますか…」
そう言った悟浄は宿の外へ向かいはじめています。
今日も遊びに行くんですね彼は…
あたり前ですね…彼のお目当ての姫君は今夜僕が独占するんですから…
「あれ?悟浄そっち部屋じゃねぇぜ?」
「だ〜れが煩い小猿ちゃんと一緒に部屋に行けるかよ。俺は大人の世界に行ってくんの…」
「猿っていうなぁ?!」
「はいはい。じぇ〜ねぇ〜。」
悟浄は騒ぐ悟空を無視して手をひらひら振りながら外へ出て行きました。
「さて、僕達も部屋に戻りますか。」
「うん!おやすみ三蔵!悟空!!」
「ああ。」
「おやすみ!!また明日な!!」
僕は白竜を肩に乗せ、と共に部屋に入りました。
いけませんね…あなたの笑顔を見てると僕まで動揺してしまいそうです…
「ねぇ八戒!先にシャワー浴びていい?最近ちゃんとした宿に泊まれなかったから、気持ち悪くて…」
「ええいいですよ。どうぞごゆっくり…」
「ありがとう八戒!」
はうれしそうにシャワー室へ消えました。
「は可愛いですね白竜?」
白竜も僕の言葉に相槌を打つように短くなきました。
あの笑顔を僕だけに向けてくれたら本当にうれしいんですけどね…
「八戒お先に♪」
「はい。じゃあ、僕もシャワーを浴びてこようかな…」
「うん!」
はいつものような姿ではなくて、暑いからかとてもラフな格好をしてシャワー室から出てきました。
本当にあなたはどんな恰好をしても可愛らしい…
「どうしたの八戒?」
「え?あ、いえ、なんでもありませんよ…じゃあシャワー浴びてきますね…」
に見とれていた僕はに話しかけられ少し驚きました…
このままあなたを見つめていると、僕のこの気持ちを止められそうにないですね…
僕はから逃げるようにシャワー室へ向かいました。
本当は折角の二人部屋なので、あなたとゆっくり話しをしたいのですけどね…
でも、話しはシャワーの後でもゆっくりできますね。
二人部屋なんですから…
僕は頭を冷やすために少し冷たいシャワーを浴びました。
僕はが好きです…愛しています。
だけど、僕のこの気持ちのせいであなたを傷つけたり失いたくないんです…
僕がシャワー室から出ると、そこには僕の最も大切なの姿はありませんでした。
白竜の姿も見えません。僕は少し不安に思いながらも平静を装って隣の悟空と三蔵の部屋に向かいました。
ノックようと手を構えた瞬間、中から悟空の声が聞こえてきました。
「なぁ三蔵ぉ〜腹減った〜」
「煩ぇ…さっき死ぬほど食っただろうが…」
「でも、腹減ったぁ〜」
「テメェの腹は底無しか…」
普段通りの二人の会話…
と言う事はこの部屋にはいない…一体何処に?!
僕はいそいで外に出ました。
冷たいシャワーを浴びた僕の体に夜風は冷たく突き刺さります…
でも、今はそんな事はまったく気になりません…
それよりも、目の前にいるはずの愛しい人がいない事。
その事の方が深く心に突き刺さって痛いくらいです…
「どうした八戒?」
「…悟浄…もう帰ってきたんですか?」
「まぁな…それよりなんかあったのか?」
「いえ…ちょっと夜の散歩ですよ…」
「ふ〜ん…お前髪濡れたまま夜歩き回ると風邪ひくぞ?」
「そうですね…早めに帰りますよ…」
「んじゃ俺もう少し遊んで帰るわ…」
「ほどほどにしてくださいね?」
「お前もな…」
悟浄は僕がを探しに外へ出た事に気がついたようで、
宿に帰って来たようなのに、また外向かって歩いて行きました。
…一体何処に行ったのですか…
僕が夜の街を歩いていると、白竜が飛んできて僕の肩に止まりました。
「白竜?!一体何処に…は…は一緒じゃなかったんですか?!」
僕が白竜に問い掛けると白竜は僕を案内するかのように僕の肩から飛んでいきました。
白竜の後についてきたところは街外れの小さな丘のようなところでした。
そこに大きな桜の木が一本立っていました。
その木の下に誰かが立っています…
「?!」
僕は走ってに近づこうとしました。
もう少しであなたの側に行けると思った瞬間、強い風が僕とを包みました。
その風で桜が辺りを舞っています。
まるで、あなたを覆い隠してしまうように…
「!」
「どうしたの八戒?そんなに慌てて…」
僕はの言葉が終わる前にを抱きしめていました。
「八戒?!どうしたの?ちょ…ちょっと…」
「消えないで下さい…」
「え?」
「僕の前から黙って…いきなり消えないで下さい…」
「八戒…ごめん…」
は僕の心を察知したのか、おとなしく僕の胸に顔をうずめました。
「あなたを失いたくないんです…」
「大丈夫…大丈夫だよ八戒…」
あなたは僕の背中に腕を回すとまるで僕をなだめるように僕の背中を優しくさすりました。
その行為だけで、僕の心の中の不安が全て消え去って行きます…
あなたは凄いですね…
僕はを解放しました。
「すみません…」
「ありがとう八戒…探しに来てくれたんでしょ?」
「ええ…あなたがいきなり消えてしまったので、驚きました。」
「昼間ね、街についたときに、街の人に聞いたんだ…この桜の木の事…
どうしても見ておきたくなって…」
「それなら、言ってくれればよかったのに…きっと皆も…」
「それがね、ダメなのよ…」
「え?」
「この木にはね、ある伝説が残ってるんだって…
ある時ね、この木の下である恋人同士の男女が別れたんだって…
それは、男が旅に出るから…女はここで男を見送って、
それから毎日毎日この木の下で彼を待ちつづけてたんだって…
だけど、彼は帰ってこなかった…
それでも女はずっと待ちつづけてたの…旅の途中で愛する男が死んだって知らないで…
長い年月が経って、女もこの木の下で待ちながら亡くなった…
だけどね、その女の人…まだ待ちつづけてるんだって…
で、亡くなった男の人もこの木の下に帰ってくるんだって…
それからこの木の下ではね、仲のいい二人の幽霊が出るようになったの…
そして、もしこの木の下で誰かを待つ女がいたら、その人の好きな人を連れてきてくれるんだって…
で、まっている女の元に好きな男が現れてそこで結ばれたら、幽霊さんの祝福を受けて、永遠に仲良く幸せに暮らせるっていう伝説が…」
月明かりに照らされた美しい桜を見上げたは少し悲しそうに…でも、どこかうれしそうに僕に桜の木の伝説を聞かせました。
「そうですか…それで?の好きな人は来てくれたんですか?」
「来てくれたよ…来てくれて私を抱きしめてくれた…」
「…」
僕は笑顔でそう言うが無性にいとおしくなり、彼女の細い体を後ろから抱きしめた。
「……お願いです…いくら腕がたつと言っても、黙って僕の前からは消えないでください。」
「ごめんね八戒…心配かけちゃったね…」
「ええ。本当に心配しました。もう二度とこう言う事はしないで下さい…」
僕はついを抱きしめる腕に力を入れていた。
「分かった・・・でも、八戒が来てくれて本当によかった…」
「そうですよ…悟浄が来ていたらどうしていたんですか?」
「え?私は悟浄が好きだったのかな〜って考えてみる。」
「そうですか…そんないい加減な人にはお仕置きが必要ですね…」
「…え?お仕置き?!ちょっと待ってよ八戒!!冗談だってば!!」
「冗談でも言わない方がいい事というのも有るんですよ?」
「八戒〜ごめんなさい!!!」
「ダメです。この口ですか?イケナイ事を言った口は…」
僕はを抱きしめたまま僕の唇での口を塞ぎました。
「もう二度とあんな事言わないで下さいね♪」
「はひ…」
「さて、帰りましょうか!体がさめてしまいましたね…」
「そうだね…シャワー浴びる前にすればよかった…」
「大丈夫ですよ。これから僕が暖めてあげますから。」
「いいです…遠慮しておきます…」
「そう言わずに…ねぇ白竜?」
「白竜に話しふらないでよ!!」
真っ赤になって僕の腕から抜け出すあなた・・・
本当にあなたは可愛いですね…
僕は二度と僕の手から離れないように、彼女の手を強く握って宿へ帰りました。
そんな僕達を祝福しているのか、まるで二人を包み込むように散った桜が僕達の回りを舞っていました。
お願いがあります。
僕の知らないところで絶対に散らないで下さい。
僕はあなたを散らすような事は絶対にしない…
あなたを満開に咲きつづけさせます。
だから、ずっと僕の側で咲きつづけていてください…僕だけの桜になってください…
いいですよね??
悟浄:・・・絶対八戒に対して扱い違うよな綾子・・・
悟空:俺もそう思う・・・なぁ三蔵!どう思う?
三蔵:知るか・・・(怒)
悟浄:ありゃ同じ事思ってるな・・・(苦笑)
悟空:なんで八戒だけ八戒視点なんだよ綾子!!
綾子:え?それは・・・書きやすかったからで・・・(笑)
八戒:いいじゃいですか悟空?ただ視点が違っただけなんですから・・・
悟浄:じゃあ俺の時だって俺視点でもよかったじゃん!
綾子:それはできません。悟浄なに考えてるか分からないから♪
八戒:そうですね・・・悟浄してんだと、嫌でもお子様は見れない文になりそうですもんね♪
悟浄:お前等俺の頭の中どんなだと思ってんだよ・・・(汗)
八&綾:あ〜んなことやこ〜んな事がいっぱいなんじゃないですか(笑)?
三蔵:・・・お前等益々似てきたな・・・(汗)
悟空:二人とも笑顔だし・・・(汗)
いかがでしたでしょうか・・・
はじめての相手キャラ視点(苦笑)
桜の時期ももう過ぎたような・・・(汗)
相変わらず季節感のない奴ですみません(泣)
もう少し早く仕上げればよかったですね・・・
ごめんなさい(汗)!!
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