瞳〜蔵馬バージョン〜

ある日、私が蔵馬の家に遊びに行くと、蔵馬は机の上に本を広げたまま寝込んでいた。

「蔵馬…?」

覗き込んでも目を覚ます気配はなかった。
つかれてるのかな?
私は起すのを止めて蔵馬の顔を眺めていた。
カッコイイなぁ…カッコイイっていうか、綺麗…なんでこんなに整った顔してるんだろ?
私はジーっと蔵馬を見つめていた。
まつげ長い…こんな事思うと怒られると思うけど…女の子みたい…
目を開けるとあの綺麗な瞳で私を見つめてくれるんだよね…
ねぇ蔵馬…それは私だけの特権って思ってていい?
そうして飽きることなく私は蔵馬を見つめていると、なぜかその綺麗な唇から目が離せなくなっていた。
どうしよう…なんかドキドキしてきたよ…なんかキスしてみたいかも…
でもやっぱりキスなんてしたら起きちゃうかな?でも…熟睡してるし…一瞬なら大丈夫だよね?
そう思って私は蔵馬の側に寄った。ゆっくりと唇に近づいていって、私は軽く一瞬だけキスをして蔵馬から離れた。

「…はぁ…」

物凄く緊張して恥ずかしくなった私はドキドキを少し鎮めてからもう一度蔵馬のほうを見た。
すると、微妙に蔵馬に表情が…あれ?ま…まさか…

「蔵馬?!起きてるでしょ!!!」
「…やっぱりばれたか…」

笑いをこらえて蔵馬が目を開けた。
いつものあの綺麗な…私の大好きな蔵馬の瞳が私を真っ直ぐに見つめた。

「いつから起きてたの!!」
「お姫様のキスで目覚めたよ…」
「嘘だ…ずっと起きてたでしょ?!」
「やっぱりばれたか…そうだね…はじめに君に呼ばれたときに…でも、あまりに蔵馬が可愛かったから寝たふりをしていたんだ…」

私は恥ずかしさに顔から火がふきだしたのかと思うくらい顔を熱くした。
蔵馬はそんな私を見て笑いをこらえてるし…!

「蔵馬の意地悪!」
「そうかな?」
「もう知らない!!」

私は蔵馬の部屋を出ようとしたけど、すぐに蔵馬に捕まり、蔵馬の腕に絡め取られた。

「ごめん…そんなに怒らないで…」
「…あんな事して私…」
「可愛かったよ?」
「もう言わないでったら!!」

蔵馬は耳元でそう囁きながらも声は笑っていた。

「分かった…そうだ…じゃあお詫びにいいものをあげるよ。」
「いいもの?」

私は何かと思い蔵馬を見上げた。
すると、私に送られたのは蔵馬からの優しいキスだった。

「っ?!」
「…………俺のお姫様へのお礼のキスだよ。」

私は恥ずかしさのあまり何も言えなかった。

「どうしたの?」
「…なん…でもない…」
…顔が真っ赤…」
「蔵馬のせいでしょ!!」

私は未だに開放してもらえず恥ずかしさのあまり蔵馬に見られないように顔をうずめた。

「もっとの可愛い顔みたいのに…」
「嫌だ?!見せてあげない!!」

私は蔵馬に抱きしめられながら蔵馬の腕の中で、もう二度と蔵馬の寝顔を見つめないと心に誓った。



蔵:さて・・・
綾:ごめんなさい!!
蔵:なんで謝るのかな綾子ちゃん?
綾:・・・雰囲気が怒ってるので・・・(汗)
蔵:別に、怒ってはないよ(苦笑)
綾:でも・・・(汗)
蔵:もちろん続きがあるよね?
綾:え゛・・・いや・・・これ以上は私には無理です・・・(汗)
蔵:そう・・・じゃあ次がんばってくれるよね?
綾:はい・・・がんばります・・・
蔵:よかった・・・
綾:・・・でも、今回は蔵馬さんが意地悪だったからこんな風に・・・
蔵:何か言ったかい?(←ニッコリと微笑んでます/汗)
綾:いいえ・・・なんでもないです・・・(泣)