瞳
瞳〜桑原バージョン〜
ある日、私は和真の家に遊びに行った。
でも、テストが近いからか、和真はさっきから問題集とにらめっこ…
私も邪魔しちゃいけないと思っておとなしく本を読んでいた。
「あぁぁぁもうわかんねぇ!!」
「っ!ビックリしたぁ…」
「あ、わりぃ…」
和真は苦笑してた。
その時、静流さんがお茶とケーキを運んできてくれた。
「ほれよ…おやつだ…」
「サンキュ姉貴!」
「ちゃんもここで食べるだろ?こいつちゃんと勉強してた?」
「ちゃんとしてたよ静流さん!」
「ちょうど一息入れようとしてた所だよ…」
和真は静流さんの手からお盆を受け取ると、テーブルに置いた。
「しっかり見張っててねちゃん…こいつ今度のテストでミスったらタブリだから…」
「了解♪」
私と静流さんが話していると、和真は面白くなさそうにぶつぶつ文句を言ってケーキを食べようとしていた。
「あぁ!私のケーキ?!」
「早くしないと食っちまうぜ?」
「あぁぁ!!!」
「じゃね…お邪魔しました…」
静流さんは苦笑しながらそう言うと部屋を出て行った。
「うめぇ!」
「うん美味しいね…」
「なぁそっちもちょっとくれよ!」
「あぁ!ちょっと勝手に食べないでよ!!」
私が油断した隙に和真は私のケーキを一口食べた。
「うん…美味い…」
「もう私のケーキ!」
「分かった分かった俺のもやるから…」
そう言うと和真は自分のケーキを一口大とって私の目の前に差し出した。
私がフォークを受け取ろうと手を出すと、和真は一度フォークを引っ込めた。
「…え?」
「あ〜ん」
「えぇ!!やだよ!!!」
「いいからしろって…ほらあ〜ん…」
「恥ずかしいでしょ?!」
「いいじゃん…いらないなら俺が食う…」
「あぁ!もう…」
私はケーキが食べたかったから、仕方なく口を開けた。
すると、和真が差し出したフォークが口の中に入って来た。
「おいひい♪」
「口に入れたまましゃべるなよ…」
「らって…」
「あ…おい…ちょっと…」
「ん?」
和真が手招きするから、私は和真の側に寄った。
すると、いきなり和真が私の唇の際をなめた。
「?!」
「クリームついてた…美味い♪」
「何すんのよいきなり!!!」
「クリームついてたから…ってなんでそんなにきれてんだよ!!」
「あたり前でしょ!!!いきなりそんな事しないでよ!!!」
私は真っ赤になりながら和真に抗議した。
「分かった今度からいきなりはしないって…」
「いきなりじゃなくてもそうそうするな!!」
和真は怒る私を楽しそうに笑ってみてた。
その優しい瞳が私は好きで…
思わず再び真っ赤になりそうな予感がして私は目をそらした。
「もうケーキ食べ終わったでしょ?ほら、早く勉強しないと静流さんに怒られるよ?」
「そうだな…おっし!気分転換終了!!美味かったなケーキ。」
「…ケーキは美味しかった…」
「俺はが一番甘かったけどな…」
独り言のように机に向かって呟いた和真に私はクッションを投げつけた。
「これでテスト悪い点取ったらもう和真の部屋にこないから…」
「げ…マジ?」
「あたり前…私が邪魔かもしれないからね…」
「邪魔なわけないだろ?!」
「だったら、テストでいい点とって証明してね♪」
「くっそ〜…」
こうして休日の勉強会(?)は終了した。
気になるテストの結果は…
前よりも成績が上がったとか…
あの勉強会が良かったのかな?
桑:・・・・・・
綾:・・・ごめんなさい・・・(汗)
桑:甘い話し・・・ねぇ・・・
綾:甘くないですか?充分甘そうですけど・・・
桑:確かにケーキは甘いよな・・・
綾:・・・ダメですか?
桑:・・・他の奴らちゃんとキスしてるんだろ?!
綾:・・・微妙にしてるじゃないですか・・・(苦笑)
桑:どこがだ!!
綾:次がんばりますから許して下さい!!
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