宿木
１２月２３日、と英二は友人宅で行われたクリスマスパーティに出席をしていた。
全員で準備を分担し、皆で作ったクリスマスパーティを楽しんだのだが、
時間も遅くなったので、お開きになったとき、英二が元気よく手を上げ、宣言した。
「ハイハ〜イ！オレ、のこと送ってくにゃ♪」
「いいよ菊！もう遅いし…」
「だ〜め！遅いから送ってくんだろ？に何かあったら大変だもんにゃ♪」
そう言って笑顔を向ける英二に、は断ることができるわけもなく、
ほかの皆にからかわれながらも、外に出た。
「うわ〜…寒いね〜！」
「ホントだにゃ〜…雪とか降ってきたりして？」
「さすがにまだ降らないでしょ…」
二人は空を見上げ、楽しそうに話しながら歩いていた。
「楽しかったね…」
「今年もいいクリスマスになった〜♪あ、でも…一つ心残り…」
「心残り？」
一瞬悲しそうな顔をした英二に、は不思議そうに顔を覗き込んだ。
「からのクリスマスプレゼント貰えなかった！オレめちゃんこ期待してたのに…
どうして、プレゼント交換で当たったのが、男からの…
それも、読んだことのない難しそうな本にゃんだぁ！！」
「まぁまぁ菊…落ち着いてよ…」
夜空に向かって叫ぶ英二を、は苦笑しながらなだめた。
「あ〜あ…のプレゼントが欲しかったのに〜…」
「もう…そんなにいじけないでよ…」
は苦笑して、かばんの中からひとつの包み紙を出した。
「はい。」
「にゃ？」
「クリスマスプレゼント…本当は自分で使おうと思ってたんだけど…
そんなに私からのがいいって言うんなら、あげる…」
はちょっと赤くなりながら、包み紙を差し出した。
「…マジ…で？」
「…いらないなら私が…」
「いる！！いるにゃ！！」
英二はの手から奪い取るように包み紙を受け取ると、胸の前にぎゅっと抱きしめた。
「やったにゃ〜♪からのプレゼント〜♪」
「たいしたものじゃないからね…」
「たいしたものだよ！オレにしてみれば、すんごく！！何よりも大事な宝物になるって♪」
「そんな大げさな…」
英二が本当にうれしそうに微笑むので、恥ずかしくなったは赤くなったであろう顔を見られないように足早に歩き出した。
「にゃあにゃあ！開けていい？」
「勝手にして！／／／」
英二は早速包み紙を開けた。
そこには、暖かそうなマフラーが包んであった。
「うわぁ〜……もしかして、これ手作り？」
「下手って言いたいんでしょどうせ？いらなかったら…」
がそういったとき、英二はそっと先を行くを抱きしめた。
「いらないなんて言わない…だって、一生懸命作ってくれたんしょ？オレのために…」
「だから、自分が使うためって…！」
「普通、自分が使うためのものに、こんなにきれいにラッピングしないと思うけどにゃ〜…」
「あ…／／／えっと…そうだもん！自分のためにラッピングしたんだもん！！」
「ふ〜ん…にゃら…」
素直にならないに、英二は何かを思いついたのか、一瞬の体を開放した。
そして、を振り向かせると、手に持っていたマフラーを自分との首に巻きつけた。
「これで、よし♪」
「ちょっと！！」
二人で一本のマフラーを巻きつけたことで、今度は正面で向かい合った形で密着している状況に、は顔を赤らめた。
「これで、このマフラーはオレとのもの〜♪」
「菊…バカ…／／／」
「にゃんで？それよか…今日は、英二って呼んでくれないんだにゃ…」
「…バカ英二…」
赤い顔を軽く睨みつけそう言ったに、英二は笑顔になった。
「素直じゃない奴〜！」
「何よ〜！」
英二はそっとおでこをのおでこにくっつけた。
「暖かいにゃ♪」
「…今日だけだからね…」
「え〜！」
「え〜じゃないの！！」
「いいじゃん！オレとずっとこうしてぴったりくっついてたい！！」
「嫌だ！恥ずかしいでしょ…」
最後、消え入るような声でそう言ったに、英二はフゥと溜息をつくと、
ガサゴソとポケットをあさり始めた。
「…んじゃさ、これであげるから、ずっと一緒にいよ？」
「え？」
英二はおでこを離すと、ポケットから取り出した、小さなクマの人形を取り出した。
「英二特製のお人形だにゃ〜♪」
「うわぁ…可愛い！」
「だろだろ？大変だったんだぞ〜」
「あれ？」
はクマの首に何か光るものがついているのに気がついた。
「あ、気づいた？それはおまけ♪」
「え？」
クマの首には指輪がぶら下がっていた。
「これ…」
「だから、クマだけじゃ味気ないからおまけだって！」
赤くなった英二は、恥ずかしそうにそっぽを向いた。
「…ありがと英二…」
「あ？！」
「え？」
「…もう一個オレにプレゼント頂戴！」
「え？」
「あれ…」
英二が指差す先には宿木がきれいにイルミネーションされていた。
「宿木の下の女の子には…」
そう言って英二はにやさしくキスをした。
「ありがと♪」
「え…英二？！／／／」
「来年も一緒に過ごそうにゃ♪」
「………うん。」
手をつながれ、笑顔でそういわれたは、ただ真っ赤になったままうなずくことしかできなかった。
ゲフッ・・・（吐血）
なんじゃこりゃ〜〜〜！！！
って感じのへぼさでごめんなさい！！
本当にすみません・・・（泣）
言い訳がましいんですが・・・
初菊丸ドリなんです・・・（泣）
