宿木
宿木
12月23日、とオスカーは寒空の下を二人で歩いていた。
「どうして、パーティ会場が一番離れた所なの!」
「まぁ、仕方ないじゃないか。これも、くじ引きで決めたことだからな・・・」
そう、今日は仲間内だけでのクリスマスパーティをしようと、全員で数日前から準備を重ねてきた。
会場となる家は、くじ引きのおかげで全員の中での家からは一番遠いところにある家となってしまった。
そして、仲間で作り上げたパーティを満喫し、夜も更けたということで皆ばらばらに帰っていった。
今、はオスカーに送られて帰る途中だった。
「も〜…風邪ひきそう…」
「俺の大切なレディお嬢ちゃんに風邪をひかすわけにはいかないな…」
オスカーは顎に手を当てを見つめながら少し考えるた。
「どうしたの?」
「フム…一つ暖かくなる方法があるんだが…試してみるかお嬢ちゃん?」
「…何?」
キョトンとしてオスカーを見上げるに、オスカーは微笑みかけると、
オスカーは自分が着ているコートの前を開き、をコートの中に入れるように抱きしめた。
「え?えぇ?!」
「これで少しは暖かいだろ?」
「それは…暖かいけど、何もこんな…///!!」
は恥ずかしいからか、真っ赤になってオスカーの腕の中でもがき始めた。
「動くと風が入って寒いぞお嬢ちゃん?」
「耳元で囁かないで!!」
「嫌か?君が嫌だというならやめるが…」
とうとう観念したのか、はオスカーの服にしがみつくように顔を隠した。
「抱きついてくれるのはうれしいが…俺はお嬢ちゃんの顔を見たいんだが…」
「嫌…」
「そうか…それは残念だ…」
オスカーはこれ以上からかうと、今自分の腕の中にある暖かくてやわらかく、
そして小さな愛しい存在が、機嫌を損ねるのではないかと思い、苦笑してただ抱きしめるだけだった。
「お嬢ちゃんはプレゼント交換で何が当たったんだ?」
「…ペンダント。」
「ペンダント?」
「…剣の形をした…」
「あぁ…俺の贈り物は、俺が望んだとおり、ちゃんと持ち主を選んだようだな…」
「あなたは?」
はふと視線を上げて、オスカーの顔を見上げた。
「俺か?俺は…お嬢ちゃんのが当たった…といいたいところだが、
残念ながら運命の女神はそれを許してくれなかったらしい…綺麗な音色のオルゴールだったよ…」
「どうして、それが私のじゃないと思ったの?」
「それは…愛の力さ…」
オスカーは再びの耳元でささやいた。
「なんてな…特に理由はないさ…ただ、なんとなくだ。君のなのか?」
「私のじゃ…ないけど…///」
「そうか…」
オスカーは腕の中で真っ赤になっているにやさしく微笑みかけた。
「しかし、俺もお嬢ちゃんのプレゼントがあたりたかった。俺の愛しい天使からの贈り物にね…」
「…別に用意してある…」
「何?それは、本当か?」
「…信じないの?」
「いや、信じるさ。ただ、少し驚いただけでな…
まさか、お嬢ちゃんが俺のために別にプレゼントを用意してくれているとは
思ってもいなかったんでな…」
「…あなたには…ちゃんとプレゼントを渡したかったから…」
オスカーの目を見つめてそういったは、恥ずかしいからか、再び顔を隠してしまった。
「…照れ屋の俺の天使…俺からもプレゼントがあるんだ。受け取ってもらえるか?」
「え?」
顔を上げたにふっと微笑を向けると、正面に抱きしめていた体を反転させ、
後ろから抱きしめるように体勢を変えると、ポケットから小さな箱をの目の前に差し出した。
「俺からのプレゼントだ。」
「これ…」
「俺とのお揃いじゃ気にいらないかもしれないが…」
オスカーはの前で小箱を開けると、小さな赤い石のついたピアスを見せ、
そして、自分の耳についているピアスを見せた。
「愛してる…来年も…いや、その先もずっとこうして二人きりでクリスマスを過ごそう…」
耳元でそう囁くと、オスカーはの体を軽く抱きしめ、そしてそのまま彼女の唇にキスをした。
「約束だぜお嬢ちゃん?来年もまた・・・この宿木の下で会おう。」
オスカーがそういうと、まるで宿木に誓うかのように二人は再び口付けを交わした。
・・・誰だこれ???(大汗)
最悪ですねこれも・・・
本当にごめんなさい!!
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