宿木

宿木

12月23日、の家はパーティ会場と化していた。

仲間で準備をし、仲間だけで行うパーティの会場は、くじ引きで決めたのだったが、
運良くか悪くかの家に決定した。
皆で楽しく過ごしていたが、酒の強くないが、珍しく酒を飲み、
パーティが進むにつれ、少しずつ酔っていくのがわかった。

「大丈夫か?」
「大丈夫ですよ〜…」

クスクスと笑いながら答えるその様子に、頼久はが酔っていることを確信した。

「もう、酒はやめた方が…」
「飲みませんよ〜…だって、私もう寝る…」
「何?!」

目を眠そうにこすり始めたを見て、夜も更けたことだしといい、全員が帰り支度を始めた。

「もう少し起きていてくれ…皆が帰るところだ…」
「起きてますよ〜…?」

クスクス笑いながら、ソファに横たわるを見て、頼久はとりあえずをそこに寝かせ、
全員が帰るのを見送ると、の眠るソファに腰掛けた。

「起きるんだ…このようなところで寝てしまっては、風邪を…」
「…フフッ…」

頼久の声に静かに目を開けたは、クスリと笑った。

?まさか…」
「何ですか?」
「酔ってなどいないな?」
「ばれました?」

はゆっくりと体を起こした。

「なぜそんなことを?」
「あのままじゃ、お開きになりそうになかったからですよ…
イブとクリスマスの2日くらい、ばらばらに好きな人と過ごしたいじゃないですか…」

そう言ってはクスッと微笑むと、立ち上がって戸棚からひとつの包みを出してきた。

「はい。私からのクリスマスプレゼントです。」
「………?」
「何を不思議そうな顔をしてるんですか?」
「いや…まさか、お前からもらえるとは思っていなかったら・・・」
「そんな…いくら私がひねくれものでも、クリスマスくらい素直になりますよ…せっかくですからね…」

がそう言って笑顔で包みを差し出すので、頼久は静かにそれを受け取った。

「ありがとう。」
「どういたしまして。」

にっこりと笑うから視線をはずすと、頼久は包みを開けた。
そこには暖かそうなセーターが入っていた。

「これは…」
「大変だったんですよ?皆に隠しつつ、もちろん頼久さんにもばれないようにサイズを測って…」
「いつの間に…」
「それは、秘密です。」

にっこりと笑うに、苦笑した頼久はそっとの手をつかむと抱き寄せた。

「どうしたんですか頼久さん?」
「すまない…」
「え?」
「…私は準備をしていないのだ…」
「あぁ、いいんですよ!私が勝手に頼久さんの分を作っただけですから…」
「…フッ…まだまだだな。」
「え?」

を抱きしめたままそういった頼久に少し驚いたは、頼久の体に腕を突っ張って離れると、
頼久は片腕でを抱きしめ、もう片方の手でポケットからきらきらと光る何かを取り出した。

「え?あの…?」
「私からの贈り物だ…受け取ってもらえるか?」

を後ろから抱きしめると、両手が開いたことでの手首にきらきら光るブレスレットをはめた。

「これ…」
「お前の趣味ではないかも知れないが…」
「そんなことないです!!とても綺麗…ありがとうございます!!とってもうれしい…」
「そうか…」

頼久はうれしそうに見上げるをやさしく微笑んで見つめた。

「でも…」
「なんだ?」

が突然クスクスと笑いをこらえているのを見て、不思議に思った頼久は、を見つめた。

「だって、頼久さんがこれを買ってくれたんですよね?
お店で頼久さんが迷いながらこれを選んでくれたのを想像したら…」
「お前は…」
「ごめんなさい!」

は笑いながら誤っていた。

「そういうことを想像するな。」

頼久は少し赤くなっていた。

「頼久さん赤いですよ?」
「光のせいだろう。お前こそ、赤いようだが?」
「それは…私は酔っ払いですから♪」
「ならば…」

頼久はそのまま立ち上がると、を横抱きに抱き上げた。

「うわ?!」
「酔っ払いはもう眠った方がいいだろう。お前を部屋まで運んだら私も帰ろう。」
「いいですよ運ばなくて!!おろしてください!」
「暴れるな。落ちたら怪我をするかもしれんぞ?」
「頼久さん!!」
「そうだ!忘れるところだった…」
「え?」
「ある者から教わってな…宿木の下で口付けを交わすのだと教わったのだ…」
「誰ですかそんなこと教えたの?!」
「さぁ…私の近しい人間だ。」
「でも、ここには宿木が…」
「上を見てみろ?」
「え?…げ?!」

の見上げる先には、宿木の葉が飾られていた。

「今日くらい素直になるんであろう?」
「…も〜!わかりましたよ!」

そう言って、は頼久の首に抱きついてキスをした。

「…今日の頼久さんいつもの頼久さんじゃない気がする…」
「気のせいだ。私は私だからな…」

頼久はいつになく楽しそうに宿木の下、を抱きしめたまま笑っていた。



ハッハッハッハ・・・(←笑って誤魔化す/大汗)
誰だこれ・・・(ため息)
これで、一応2003年クリスマス4部作完結という形なんですが・・・(汗)
最悪のドリームで申し訳ありませんでした!!!