お題

I

ある日の日の曜日、池のほとりで寂しそうに水面を見つめるを見つけた俺は、
あまりにも彼女が痛々しかったから、私邸に誘って話を聞くことにした。

「やぁ、。日の曜日だというのに、どうしたの一人でこんなところで・・・」
「え?あ、こんにちはランディ様・・・たまには一人もいいかと思って・・・」
「そっか・・・じゃ、俺いない方がいいかな?」
「え?」
「これから俺の私邸でお茶でも飲まないかい?気分転換くらいにはなると思うよ?」

俺がそう言って微笑むと、少し考えただったけど、優しい笑顔で答えてくれた。

「・・・それじゃ、お邪魔しようかな・・・」
「よし、それじゃ、行こうか!」

道すがら歩いている途中、何かあったのか聞きながら歩いていたけど、彼女は俺の私邸につくまでなんでもないと言い張った。

「本当に?」
「本当です・・・きっと、育成に疲れるんですよ・・・」

そう言って微笑むだけど、いつもの彼女の笑顔じゃない。
そんなの笑顔が俺の心も傷つけた。
彼女にはこんな顔して欲しくない…



俺の私邸につき、お茶を用意して二人で向かいあってテーブルに着くと、俺は確信を持ってアイツのことを聞いてみた。

「・・・あいつのこと?」
「え?」

俺がそういうと、今までお茶に向けていた視線をは驚いたように俺に向けた。
やっぱり・・・
気づいていたけど、改めて確信すると、心のどこかが締め付けられる感じがした。

「どうして・・・」
「そりゃ、分かるさ・・・」


君の事をずっと見てきたんだから・・・


そんなことを言えるわけもなく、俺は言葉を飲み込んだ。

「そんなことより、何かあったのかい?今日アイツ誘ったのに断られた・・・とか?」
「違うんです・・・今日は誰もお誘いしてません・・・一人になりたかったから・・・」
「そっか・・・じゃ、俺余計なことしたかな?」
「いいえ・・・そんなこと!」

は俺を見て慌てて否定した。
そんな慌てなくてもいいのに・・・
そんなに俺に気を使わなくてもいいのに・・・

「あの・・・ランディ様・・・」
「ん?」
「守護聖様・・・それも、ランディ様ににこんな相談してよくないと思うんですが・・・」

ゼフェルの事だから俺じゃやっぱり相談しにくいのかな・・・
それとも、まさか俺の気持ちを?
内心少しあせりながらも俺は平静を装った。

「いいよ、俺でよかったらなんでも相談に乗るよ?」
「・・・ランディ様はもうお気づきみたいですが・・・私、ゼフェル様が・・・」

改めて言葉にされると、こんなにも辛いものだとは思わなっかったな・・・
告白する前に、ふられたんだ俺・・・
だけど、にはこんな気持ちは味合わせたくない・・・
だから、俺は友達としてアイツとの恋を応援してあげる・・・
俺はそう心に決めた。

「俺は、ゼフェルと仲があまりよくないし、アイツの気持ちとかよく分からないけど・・・
でも、アイツの気持ちどうこうじゃなく、君はアイツが好きなんだろう?」
「はい。」
「だったら、もう少し元気を出して!せっかく恋をしてるのに、それじゃ、幸せも逃げちゃうじゃないか?」
「でも・・・ゼフェル様、最近とても冷たい気がして・・・」
「アイツの口の悪さは元からだけど?」
「そうじゃないんです!そうじゃなくて・・・」

ヤバイ・・・
泣きそうかも知れない・・・
そう思ったときは遅く、の可愛らしい頬には涙が流れていた。

!」
「ごめんなさい・・・」

君は必死で涙をぬぐうけど、涙は一向に止まる様子がない。

参ったな・・・
好きな子を泣かすなんて、俺は最低じゃないか・・・

・・・」

俺は思わず立ち上がって彼女の椅子の近くに近寄ると、しゃがみこんでハンカチを差し出した。

「使って・・・」
「すみませんランディ様・・・」
「ごめんね・・・」
「え?」
「・・・俺、君の力になれてないね・・・」
「そんなことないです!」

はこらえ切れない涙をこらえ、俺の言葉を精一杯否定した。

俺が思わずそっと彼女の手を握ると、少し驚いたのか一瞬ビクッと震えた。

「俺は、いつも君の味方だから・・・君の恋がうまくいくように、俺も手伝うよ・・・」
「ランディ様・・・ありがとうございます!」

は涙を流しながら俺の好きな笑顔を俺にくれた。


でも、ごめん・・・
俺心のどこかでは、君の恋が破れることを祈ってる・・・
俺のところに来てくれることを・・・

そんな俺に、君の綺麗な笑顔は不釣合いだ・・・


この場から逃げ出したくなった俺は、自分の席に戻りお茶を飲みながらと話を続けた。


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