ドリー夢小説
嘘
5 嘘
が三蔵一行に加わってどのくらい経っただろうか、
もうはじめから同行しているのではないかと思うくらい彼女が三蔵達と一緒にいるのが自然になっていた。
もちろんそれは一行(経文)を狙ってくる妖怪達を倒す時もである。
「なんで俺まで狙われるはめになるんだよ!」
「いいじゃんってば妖怪ハンターなんだろ?それとも、もうつかれちゃった?」
「煩いな悟浄!なんなら一緒に狩ってやろうか?」
「遠慮します…」
「あまり話していると危ないですよ?」
「あ…サンキュ八戒。」
「いいえ。後ろにも気をつけてくださいね。」
妖怪を倒しつつ悟浄とと八戒は話していた。
「ざっとこんなもんか?」
「腹減ったぁ〜」
「…お前はそれしか言えないのかバカ猿…」
「なんだよ三蔵!腹減ったもんはしかたねぇだろ!!」
「あ…どうやらまだ休めないようですね…」
八戒の視線の先には今倒した人数と同じくらいの妖怪が向かってきた。
「…あんた達って人気者なんだな…」
「知るか…」
「でもよ…が来てからまた増えた気がしねぇ?」
「人気者はどっちだろうねぇ君?」
「俺かよ!!」
が剣を振り回した。
すると、三蔵まで切りそうになった。
「っ!貴様…」
「あ…悪い三蔵…わざとじゃないから…」
「この…ヘタクソ!」
「なんだよ!!そんな所にいるのが悪いんだろ!!」
「なんだと…?」
「おいおいそこでもめんなよ…お客様たちいじけちゃうぜ?」
「後で殺す…」
「だから悪かったって!!」
が三蔵に気を取られた時、悟空の声が聞こえた。
「あぶねぇ?!」
「えっ?」
が後ろを見ようとした瞬間、は悟空と一緒にその場に倒れた。
悟空が妖怪の攻撃から彼女を庇うため、飛び込んでいたのだ。
「いってぇ〜…ごめん悟空…」
「大丈夫か?」
「ああ…サンキュ……あれ?悟空…その傷…まさか今…」
「あ?ああ…これ…どうって事ないって!」
二人はすぐに立ち上がった。
悟空は左の腕から血を流している。
「今はこれで…」
は持っていたハンカチで悟空の腕をきつく縛った。
そして、数分後妖怪達は跡形もなくなり、は悟空の怪我を手当てしていた。
「ごめんな悟空…」
「だからマジ大丈夫だって…この位いつものことだぜ?」
「そうそう。猿は元気と頑丈なのが取柄だもんな。」
「う…取柄がないよりはいいだろ!」
「…終わったぜ悟空…」
「サンキュ…お前って包帯巻くの上手いな…」
「…そうか?この位普通だろ…」
「そうでもないんだぜ…この小猿ちゃん包帯すら巻けないんだから…俺なんか椅子と一緒に縛られたもんな…」
「あれはお前が暴れるからだろ?!」
「お前が下手なんだよ!」
「まぁまぁ…」
口喧嘩をはじめた二人をは苦笑しながら止めていた。
「う〜ん…」
「どうした八戒?」
「…どうやら今日は野宿になりそうですね…」
地図を広げていた八戒と三蔵が話している。
「…しかたないな…おい!貴様らいつまで騒いでいやがる!」
「日が暮れないうちに先に進みますよ…乗ってください。」
「は〜い♪」
「おい!ちょっと待てよ俺ら置いてく気か!」
「嫌だよ悟浄とこんな所に置いてかれるなんて!!」
「そりゃこっちのセリフだ!」
「うるせぇ!!」
やっとジープに乗り込んだ二人に三蔵がハリセンで止めを刺した。
「…懲りないよなお前等も…」
そんな三人の様子を八戒とは笑って見ていた。
そして、日も暮れ一行は休む事にした。
「…マジでジープで寝るの?」
「そうですよ…何か問題でも?」
「…かなり無理があると思うんだけど…」
「そうですか?」
「だって…俺…あいつ等にはさまれて寝るんだぜ?」
と八戒は悟空と悟浄を見た。
「…そうですね…でも、さすがに前に三人はもっと無理ですよ?」
「…俺だけその辺の木に寄りかかって寝るのはだめ?」
「いいですけど…明日体が痛くなりませんか?」
「…悟空に蹴られたり悟浄のでかい図体に寄りかかって寝ぼけて抱きしめられるのよりはマシ…」
「それもそうですね…」
八戒はの言葉に苦笑した。
「な〜に話してんだお前等?」
「悟浄…はあなたと一緒に寝るのが嫌だそうです。」
「何ぃ!なんでだよ!!」
「あたり前だろ!何が悲しくて、お前に引っ付いて寝なきゃいけないんだよ!!」
「…まぁ俺もいくら美人とは言え、男抱きしめて寝るのは遠慮したいけどな…」
「だろ?お前と悟空に挟まれて寝たら…」
「…最悪だな…」
「なんでいきなり会話に入ってくるかな三蔵…」
「文句でもあるのか悟浄?」
「とにかく、俺あそこの木で休むわ…おやすみ皆!」
は剣だけを持ち、木に寄りかかって休む事にした。
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