ドリー夢小説
旅立ち
4 不安
かなりの距離を歩き続け、やっと五人は森を抜けた。
「やっとかよ…なんなんだよこの森…」
「俺もう腹へって動けねぇ…」
「…そんなとこでくたばってるなら置いてくぞ…」
三蔵はすでに変身したジープの助手席に乗っていた。
「なんだよ三蔵!つめてえなぁ…」
「そうだぜ三蔵!!」
「煩い二人は無視して、、あなたはえっと…」
「はここに座れ。」
「えっ!!お・おい!!」
悟浄はの体を軽々と持ち上げ後ろの座席の真中(悟空と悟浄の間)に座らせた。
「で、でもここじゃ二人が狭い…」
「いいのいいの…他に座るとこないだろ?」
「でも、なんで真中なんだよ!!」
「あ?前はもう座れないだろ?それに、悟空が真中になってみろよ、めちゃくちゃうるせぇぜ?」
「なんだよ悟浄!!お前だってそのデカイ図体して真中にいたら八戒の運転の邪魔だろ?!」
「そうですねぇ…悟浄が真中になるのは遠慮して欲しいですね…
バックミラー見るたびに悟浄の顔を見るのはちょっと…」
「なんだよ八戒まで…俺いじけちゃうぜ?」
「あほ…」
三蔵が呟いた。
「それにしても、…お前軽いなぁ…」
「…は?」
悟浄は隣に座り、煙草に火をつけながらそう言った。
「うめぇ…生きかえる〜」
「そんなには軽かったんですか悟浄?」
全員を乗せたジープを発進させながら八戒が悟浄に話しかけた。
「あ?それは…俺との秘密♪」
「…ばぁか…」
肩を組む悟浄には呆れてそう呟いた。
「でもさ…」
今度は悟空がの服をめくり、腕を出した。
「お前って色白いし、細いなぁ…」
「…何なんだよいきなり…それに、何か文句でもあるのか?女みたいだと言いたいのかよ?」
は腕をしまいながら悟空にそう言った。
「違うよ!!違うけど…良くこの細い腕であんだけの戦い方ができるなぁと思ってさ…」
前の二人は後ろ三人の会話に黙って耳を傾けてた。
「でもさ、細さなら肉弾戦あまりしない前二人といい勝負じゃん?」
「あ、そうかもな悟浄!」
「…おや?悟浄、悟空…それは僕達が戦いに参加してないと言いたいんですか悟浄?」
三蔵が前を向いたまま銃だけを後ろに向けた。
「…殺す。」
そして、そのまま発砲した。
「危ねぇだろ!!!」
「何すんだよ三蔵!!!」
「俺を巻き込むなよ!!」
「安心しろ…お前にはあてん…」
「え?」
三蔵はまだ前を向いたままだ。
「後ろむかないでそんな事できるわけねぇだろ!…気をつけた方がいいぞ…」
「…アホにしか当たらんと言っているだろうアホ。」
「てめぇは後ろにも目があるのかよ!」
「三蔵…化けもん…」
「…うるせぇ…!」
とどめはハリセンだった。
しかし、ハリセンでたたかれたのは悟空と悟浄だけだった。
「ってぇぇぇ…」
「このサド坊主!!」
「…大丈夫か?」
「いつもの事ですから気にしないで下さい。」
「そ、そうなんだ…」
は苦笑しながら殴られた二人を見ていた。
その日は運良く小さい町を見つける事ができた三蔵一行は宿を借りた。
あいにく部屋が三つしか開いておらず、が一人部屋になる事になった。
「なんでが一人なんだよ?」
「いつ殺されるか分からないからな…」
「もう殺さねぇよ?!殺す理由がなくなったし…」
は呟いた。
「、あまり気にしないで下さい。一応あれでも気を使ってるんですよ三蔵…
それより悟空?と一緒に寝たかったですか?」
「寝るって言うか…いろんな話し聞きたかったんだ俺…」
「…遊びに来ればいいじゃん…」
「え?!マジでいいの!」
「…別に断る理由ないだろ?」
「んじゃ早速行こうぜ!!」
「おい!!」
悟空はを連れ足早に部屋に向かってしまった。
「…なんなんだ?」
「さぁ?案外ああいうの好みだったりしてな…どうするよ…猿が男に惚れたら…?」
「知るか…」
「…きっと同じくらいの年の仲間ができてうれしいんじゃないですか?」
「…ったくガキが…」
「あ、三蔵…今日はそのガキと同室ですから。」
「何っ!!」
八戒の言葉に三蔵がくわえていた煙草を落とした。
「さて、僕もお子様達と話して来ましょうか…」
「お、おい八戒!!」
「じゃ俺は大人の世界へ♪」
八戒はの部屋に、悟浄は外へと歩いて行った。
残された三蔵は不機嫌そうに舌打ちし、部屋に戻って行った。
その頃と悟空は部屋で話していた。
「なんでお前そんなに俺の事知りたがんの?」
「…だって、はじめてなんだ!同じくらいの奴見つけたの!!俺なんかうれしくてさ!!!」
「…1回お前等を殺そうとした奴だぞ俺は?」
「…殺さない…」
「は?」
「…お前はなんか人殺しとかしない…しちゃいけない奴…そんな感じがした…」
「…変な奴…」
「それにさ、今のお前って昨日のお前と全然違う気がするんだ。」
「は?俺は俺だぞ?昨日も今日も…」
「何かさ、仮面つけてた時のお前って強かったけど、なんか…寂しそうだった…
けどな、今のお前…仮面取ったはやっぱ違うんだよ!」
「…仮面をつけた俺とつけてない俺か…確かに違うかもな…」
は部屋に置いてあった椅子に座り、笑っていた。
悟空はベットの上に座っている。
その時ドアのノックする音が聞こえ、八戒が入って来た。
「いいですか?」
「ああ…なんか用?」
「いえ、僕もあなたとおしゃべりしたいと思いまして…」
「…変な奴ばっか…」
はそう言って苦笑した。
それから三人はいろいろな話しをした。
その殆どがに関してだったが、もまた何かを隠しながら話していた。
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